今回入庫したEV*Boscoだが、最大の特徴は、ベーシックなハイギヤの60km/hではなく、
坂道に特化したローギヤ仕様だということだ!
モーターやギアボックスや、バッテリーまで変更した特別仕様のEVユニットなのである。
スペックは数字上では条件をクリアしているが、いかんせんインドには坂道がほとんどないため、
ロードテストが出来ない・・さて、どんな感じに仕上がってきているのだろうか・・?
まずは、軽く街を流してみる・・・
おお、いい感じではないか!
前ほど急激な加速ではなく、マイルドになっている。
バッテリーは72V→48Vに変更されていてより安全を確保していて、
よりパワフルで安定した出力を感じることが出来る・・。
通常EV*BOSCOは最高速度は60km/hだが、今回の坂道仕様はローギア仕様のため
最高速度は45km/hに設定されている。だがそこまでの加速が鋭いので、
街中でも何不自由なく走ることが出来るのだ!
今回の坂道仕様だが、ある企業様が、熱海でレンタカーショップを、
EVの三輪車で起業したいという要望から始まっている・・・。
他メーカーのEVも試されたそうなのですが、
熱海の急坂にはとてもじゃないが太刀打ちできなかったそうで、
Boscoに白羽の矢が立ったのだ!!
Bosco人の血がたぎってきたぞ・・
今回の課題は、坂を登るだけではなく、坂を下るときの回生ブレーキの強化も必要とされたため、
ギアボックスも特別にあつらえた物となっている。
だがインドでは同じ状況の環境がないため、
こちらの要望を開発者は想像で実体化してくれた。
だが、よく考えると、それはそれですごいことなのである・・
インドの技術力の高さと探求のチャレンジ精神を痛感させてもらえたのだが、
実際の試みは日本でするため、ここからが非常に時間を費やすこととなったのである。
まず取り掛かったのは、ギアからの異音だ・・本国に問い合わせせたが、一向に話が進まないため、
こちらでミッションを分解してみると・・。
メインギアの他にももう1速もっとローなギアが
組み込まれており、通常そのギアはギア比が
低すぎて使用しないのだが、
坂道で負荷がかかると自動的にそのギアに入ろうとしてスリーブが動いて、
ギアが鳴いていたようだ…。
この低いギアはいらないのでスリーブが動かないようにカラーを入れてみる。
コイツをスリーブのスプライン部にはめ込んで組んでやる。
ギアは一切動かないので、下り坂の回生ブレーキが効いている時でも
ギア鳴りはなくなり、より乗りやすくなったぞ!!
何度も何度もミッションをバラしては、そのクリアランスや
バックラッシュを考えながら試行錯誤を繰り返してゆく・・・
どんどん良くなっていくが、
そうなると今度は、発進時の摺動音が気になってきた。
っということで、再度ミッションを降ろしては載せてを繰り返す。
そんな中、じっくりとミッションのドリブンシャフトと、
モーターのアウトプットシャフトの平行を見てみると、
若干だがセンターがきっちりとあっていないではないか・・
っということで、取付のブラケットを外して、
センターが合うように加工してやる。
そうすることで、指一本で押してやるだけで、スーっと、はまり込むようになった!
スプラインにストレスが一切なくなったため、
発進時の異音が無くなりよりスムーズになったのだ。
とはいえ、EV*BoscoはMTを有するため若干の機械音は否めない。
だが、走りとトルクを考えると気にならない程度である。
そして、最後の仕上げはECUのセッティングだ!
MAXSpeedやアクセル開度による反応時間や出力等を調整。
バック時は、前進時に比べてさらにマイルドにすることで、
バック時の急発進を防止してやる。
ある程度基本的な、マップを構築していくと、
その仕様で山に試乗しに行く・・
登坂時の出力をロガーし、下り坂の回生ブレーキのタイミングや強さを確認し、
また止まってPCを繋いで変更するという感じで、セッティングを仕上げていくのだ。
まさに現車セッティングですね( ゚Д゚)
そうして仕上がったEV☆Bosco君たちだ・・・
GarageBoscoの挑戦は、まだまだ続きます!!
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